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日記・一般
< 思い出 >
中学2年生の頃、地元に県立工業高校が新設された。
近場だし、丁度いいやと思いながら、野球漬けの日々を送っていた。
ところがである、中3の九州への修学旅行へ旅立つ前の日、
一家の大黒柱のである親父が風呂場で倒れた。
親父は、第2次世界大戦では、中国大陸に渡り、
陸軍の歩兵部隊として中国各地を転戦していた。
陸軍に加わる前は、船乗りであった。
戦争が終わり、無事日本へ帰還、博多に住み、
そして母の住まいの島根・益田に居を構えた。
舟の上では能力を十分に発揮できた親父も、
陸に上がっては、陸の河童同然で苦しい生活を余儀なくされた。
そんな中で、親父が倒れてしまい、目の前が真っ暗闇に。
その後、近くの工業高校・機械科へ親戚の援助を受けて進学し、
3年間新聞配達をしながら、卒業した。
最初の新聞配達と言えば、中三の終わりごろから朝の3時過ぎに起床し、
益田駅にある朝日新聞販売店まで、新聞を自転車で取りに行った。
高校では、柔道部に入り、先輩方に可愛がってもらった。
さすがに睡眠不足と、過労が重なり、布団すら持ち上げられないほどになった。
この時は、新聞を駅まで自転車で取りに行き、また配達もしていた。
身体が悲鳴を上げたので、駅まで取りに行くのをストップし、
配達のみにしてもらった。
其のうち、私が新聞配達をしながら高校へ通うのを見て、
近くの友達も親に言われたのか、牛乳配達を始めたりしていた。
新聞配達そのものは、柔道の朝練の代わりになったので、
全く苦しいという思い出はない。むしろ、楽しかった。
新聞を配達しながら、自転車の前かごに小さなラジオを載せていた。
毎朝、NHKの第2放送の英会話を聞きながら配達していた。
学校から帰宅すると、その頃、夕方の7時に放送されていた
英語ニュースも毎日聴いていた。
英語というのは、不思議なもので、毎日英会話や英語を聞いているだけで、
何気に英語がわかるようになってきた。
学校の英語の成績は、なぜかいつも2番だった。
1番は、現役で九州大学へ合格したS君がいた。
病気の親父が高校3年の夏休みに逝った。
丁度、その日は柔道のインターハイが浜田であり、
主将でもある私が、部員と共に大会に参加していた。
試合中に、得意技を反されて右肩を負傷した。
仲間も途中で敗退したので、最後まで試合を見ずに、
引き上げることにした。
帰宅すると、玄関先に靴が沢山揃えてあった。
直ぐに、親父の身に起きたことを直感した。
帰宅してわずか15分前後で他界した。
夏休みが終わり、講堂で始業式があった。
その時に、学校長が私の父親の話をした。
事前に聞いていなかったので、級友も私も驚いた。
その後、寂しかったのだろうか?
柔道に対する心構えが随分と変わったらしい。
これは、卒業して後輩から聞いた話である。
その後、柔道といううたい文句で東芝に入社し、
優秀な先輩方から、社会のイロハを教わった。
好きだった英語は、何とM大学の4年生の時に、
K教授に出会い、英語のイロハを教わった。
会社へ入社して、稽古中に腰骨がずれて、
それで柔道を断念した。それから、いままで学習しなかった事柄を
旺文社のラジオ講座を利用して必死に毎晩、勉強したものだ。
高校生の運動会では、団長を務めたりして、
後輩からたくさんの激励を受けた。
新聞配達をしていたので、配達先のおばさんからも熱い声援を受けた。
今、社会の流れの中で、母校が廃校になり、今は広大な跡地だけが残る。
毎年、同窓会に出席しているが、卒業して40年以上経っても、
同窓生が母校の校歌をしっかりと覚えているには、驚かされる。
校舎は消えても、思い出はいつまでも脳裏に刻みこまれている。
柔道も後輩がその後を引き継ぎ、今は故郷で私立高の監督をしながら、
毎年、全国大会へ優秀な教え子を出場させている。
☆☆☆☆☆☆☆☆
悪者は追う者もないのに逃げる。
しかし、正しい人は若獅子のように頼もしい。
寄るべのない者をしいたげる貧しい者は、
押し流して食物を残さない豪雨のようだ。
おしえを捨てる者は悪者をほめる。
おしえを守る者は彼らと争う。
貧しくても、誠実に歩む者は、
富んでいても、曲がった道を歩む者にまさる。
正直な人を悪い道に迷わす者は、
自分の掘った穴に陥る。
しかし潔白な人たちはしあわせを継ぐ。
富む者は自分を知恵のある者と思い込む。
分別のある貧しい者は、自分を調べる。
< in English >
The wicked run when no one is chasing them,
but an honest person is as brave as a lion.
A man in authority who oppresses poor people is
like a driving rain that destroys the crops.
If you have no regard for the law,
you are on the side of the wicked;
but if you obey it, you are against them.
Better to be poor and honest than rich and dishonest.
If you trick an honest person into doing evil,
you will fall into your own trap.
Rich people always think they are wise,
but a poor person who has insight into character knows better.
< 書斎からの眺め >
< 利根運河からの夕陽を望む >